2015年チャイナショック
2015年8月に人民元切り下げを発端としたチャイナショックが株式市場を襲い、その後遺症は翌年春を超えてもまだ続いていたような状況でした。中国というのは謎めいています。中国経済の実態を把握することは困難です。発表される中国の経済指標が信頼できるものならいいのですが、概ね操作が入った数字だと言われています。つまり、中国自身から中国を客観的に推し量れるような材料は出てこないと考えるべきです。では中国の経済状況をできる限り客観的に推し量るにはどうしたらいいのでしょうか。一番端的に中国の経済を表すのもは原油と言われています。
7月以降の原油下落
中国の経済を客観的に示している可能性があるもので最も信頼性のあるものが原油価格です。WTI原油、北海ブレントなどの主要原油先物の推移は中国経済を端的に語ってくれるものです。中国は原油の最大級の消費国です。2018年7月初頭から原油は大きく下落しています。中国の原油輸量が減ったのならば、中国経済が行き詰まっていることを示している可能性があります。
主要商品市況とチャート(エネルギー、メタル、農作物)
アメリカとの貿易摩擦
ご存じのとおりアメリカのトランプ大統領は中国に対して強硬姿勢を崩していません。譲歩を引き出すための戦略であることは間違いありません。そして中国も対抗措置を取っているのが現状です。しかしどうやらアメリカの方に分がありそうです。はたしてこの貿易戦争の行方がどう決着するのかは分かりません。しかし、中国にとってアメリカの政策は相当の痛手であることは間違いありません。それに対して中国がどうメンツを保ちつつ関係改善に乗り出すのか、ここがポイントでしょう。現代においては中国の経済力を無視して世界の相場を語ることはできません。
低迷する中国株式市場
現在の中国の状況はやはり中国の株式市場で見て取るのが一番確実でしょう。アメリカとの貿易戦争が中国経済にとって痛手なのかどうか、それは中国の主要株価市場を見れば明らかです。
世界主要株式市場概況とチャート(欧州、中国、南米、アジア)
香港ハンセン、上海総合、上海A株、どれをとっても中国株式市場は低迷しています。情報が少ない、あるいは操作されている可能性が高い中国の株価指数が何をクライテリアとして動いているのか、ここからして謎ではありますが、中国の経済市況、株価市況、原油を中心とした世界の商品市況には十分過ぎるくらい警戒しておくべきです。
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