NYダウ平均がまだ持続的上昇トレンドにのかについては疑問視、風雲急を告げる?
こちらの記事でNYダウ平均のチャートはきれいに右肩上がりのチャートを維持していると述べました。
NYダウは素直にトレンドフォローで
ではこの先も同じなのでしょうか?これについてはかなり疑問視しています。どうやら2018年1月26日の最高値がNYダウ平均の大天井なのではないかと思っています。今後この高値を超えることは無いか、あったとしても相当先、10年以上先だと思っています。根拠はチャートです。NYダウの月足チャートを長期で見たときに、まさに大天井を付けたときのチャートつきに見えて仕方がありません。このチャートには以下のような特徴があります。
- 2018年1月のNYダウ平均の上げの終盤で加速的に上げた。これは株価が大天井を付ける時の特徴の一つ。
- NYダウ史上、2018年1月の出来高が群を抜いて大きい。これまでは下落から上昇へ反転するときに最高出来高を記録していたが2018年1月に初めて上昇から下落へ反転するタイミングで出来高記録を更新した。
下のチャートはNYダウ平均の月足チャートです。右上の四角部分をクリックすれば別ウィンドウで見ることができます。画面を最大化して広い範囲の月足チャートを見てください。
チャートで見られるこの二つから、NYダウは2018年1月がバイイングクライマックスだったのではないかと思っています。そして2018年1月のチャートが日経平均の1989年末のチャートとダブって見えます。つまりアメリカは今がまさに失われた20年の入口なのではないかとさえ思えます。何度か大きな調整はあったにせよこれまでアメリカ株はずっと右肩上りでしたが、それに終止符が打たれたとみています。もちろんこれは後になってみないと分からないことですが、史上最高値圏でありながら多くのアナリストが自信をもって買いだと言っているところも気になります。1990年頃の日本も同じようなことが言われていました。
バフェット指数も史上最高値を記録
加えて、俗にバフェット指数と言われているTMC/GDPという指数が2018年1月に瞬間的に150を超えて、2000年のITバブルの最高値を超えました。つまり、バフェット指数でみる限り2018年1月のアメリカ株の高値はITバブルの時よりもバリュエーション的に高いと言えます。以上から、私は何年か後にダウが1万ドルくらいまで落ちても不思議はないと思っています。したがって今後NYダウをトレードするのであればショートを有効に使うべきでしょう。バフェット指数(TMC/GDP)は以下のリンクから参照可能です。
Buffett Indicator: The percent of total market cap relative to Gross National Product?
アメリカの経済指標や企業業績は絶好調だが...
アメリカの経済指標や企業業績は絶好調と言っていいくらいの数字をたたき出しています。多くのアナリストはこれを根拠に買いだと言っているのですが、今がピークだという考え方はあまり見られないようです。株価は経済の先行指標と言われます。指標が絶好調なのにもかかわらず現在NYダウが軟調に推移しているのはなぜでしょうか。それは、米の企業年金を運用する超大口の投資団体が景気循環のピークアウトを意識したポートフォリオの組み換えを実行しているからです。したがって、今後も一定数の売りがコンスタントに出て来ると考えられます。株価の先行性を考えればアメリカの経済指標や企業業績も今がピークである可能性は否定できません。もちろんこれを断言することはできません。まだまだ景気は回復過程で株価もどんどん高値を取るという可能性もあります。しかし、買いでよいと信じ切った投資行為は危険な匂いがします。NYダウ平均の今後の成り行きには十分注意が必要です。
株は経済状況が改善してから買うのでは遅い
これは株を買う場合の大原則ですが、これを忘れた投資家やアナリストが多いのには驚かされます。アメリカに限らず日本においても同じことが言えるかもしれません。2017年12月から2018年1月にかけて日本では投資信託に投資した人が多かったようです。日経平均がバブル崩壊後の高値を取ってきた今になって投資するというのは、原則から外れた行為であり、やってはいけないことです。
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