多くの米株アナリストは強気姿勢を維持
米市場が雨模様です。日替わりで悪材料が次々と出てきます。2月にメディアが市場の懸念事項として取り上げていたのは米長期金利の上昇でした。その次が米の保護貿易主義への懸念、中国との貿易戦争の懸念、そして最近ではシリア情勢という状況です。
米国株は下落、銀行株中心に売り シリア情勢巡る不安根強く
メディアは身近な目に見えやすいところから材料を拾ってきて下落の原因を語る傾向にあります。そして、今回の下落も一時的であり、すぐに株価は上昇に転じるといった見方が優勢のようです。好調を示す経済指標や強気の企業業績予想などがこういった見方を後押ししているようです。先行きを疑問視するようなメディア記事もありますが、少数派のようです。
個人投資家や一部のファンド勢も強気姿勢を崩さず
多くのアメリカの個人投資家も強気姿勢を維持し、今回の下落も一時的であると考えているようです。アメリカでは経済成長はほぼ永遠に続くと根強く信じられていることが強気姿勢の背景になっているようです。もちろん、そういった見方が正しい可能性はあります。それは時間が経ってみないと分からないことです。結果的に、多くのウォール街のアナリストたちは強気姿勢を崩さずにいます。しかし、アナリストと投資家は同じ人ではありません。
投資家は景気循環のサイクルを捉える
一方で、超巨額資金を運用するような年金ファンドなどは景気循環のサイクルを捉えてポジションを構築します。現在、景気循環のどの位置にあるかを判断するのは簡単なことではありません。しかし、いくつか景気のピークを示すような兆候が出てきているのも事実です。超巨大ファンド勢はこの兆候を捉えた場合、ポジションの組み換えを実行しにかかります。リスク資産の投資額を減らし、低リスク資産へのエクスポージャーを増やしていきます。現在起きている雨模様のアメリカ市場はこれが原因であると考えた方が自然であり、納得のいくものです。
投資家が決算シーズンに無関心な理由
こちらの記事では、好調決算に後押しされたアナリストがかなり予想を立て始めているために、PERの急激な低下が見られると言っています。この現象は日本市場でも見られています。急激なEPSの上昇によりPERが低下し、日経平均の予想PERは現在12倍台です。これは株価がとんでもなく割安であると言っていることになります。ここには落とし穴があるように思います。PERという数値は過去の栄光を反映しやすい数値だからです。投資家はPERを気にしないというこの記事には重みがあります。雨模様のアメリカ市場の動向、および上値の重い日本市場の動向には注意しなくてはなりません。
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