アメリカ株式市場と日本株式市場の概況と展望(2018年6月1日~30日、随時更新)

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世界大戦の痛みを忘れつつある現在、それが最大のリスクなのかもしれません

資本主義先進国ではポピュリズム的、旧及び現共産主義国では独裁者的な指導者が目立つようになりました。共通するのは強引な手法です。妥協点を見出すのではなく自国の都合のみを相手に押し付けるやり方です。各国の金融緩和も実は自国の通貨安を誘導する金融政策なので、金融の世界ですら自国の都合で動くようになりました。これが現在の最大のリスクなのかもしれません。

2018年6月1日のbloombergニュースから

このbloombergの記事はかなり興味深いですね。Bank of Americaはアメリカだけ景気で独り勝ちすると言っていることになります。このグローバルな世の中でそんなことできるんでしょうか。しかし、株価指数の現状を見ると確かにアメリカ株にはかなりの買いが入っているようです。何かの要因で下落すると、翌日には途端に買いが入って上昇する、というのがこの頃のアメリカ株式市場の特徴です。この傾向はトランプが大統領になってから顕著になりました。正しいかどうかは別として、アメリカ独り勝ちに賭ける投資家が多いというのは紛れもない事実と言えるでしょう。

米国株の保有比率引き上げ、景気減速の日本株は売りを-BofA
米国株市場は4カ月前、2016年前半以来の調整という困難な局面に見舞われた。その市場をストラテジストらは今、世界で最も安全な投資先の一つと捉え始めている。

日本経済、欧州経済、アメリカ経済を含む世界経済は、これまで前例のないような状況になっています。世界中の中央銀行が大規模な金融緩和を実施して、無理くり世界中の株価を押し上げました。そして、そのことから景気はいいのだと思い込んだ投資家の影響により、実体経済にまでポジティブな影響を与えてしまった、というのがリーマンショック以降の流れです。そしてそれに拍車をかけたのが世界中に出現した過激な指導者たちです。過激な発言や思想や行動が一部とは言い難い人々に受け入れられたからこそ、トランプのような大統領が誕生したのですが、この流れをポジティブにとらえた人々が作った相場が現在の相場です。結果的にこれが何を意味するのかは後になってみないと分からないことですが、力を行使して相手を抑えるという手法が徐々に世界中で横行しつつあるのは間違いありません。この結末やいかに、というところです。相場とは少々違う話となりましたが、大いに関連のあることです。この前例のない時代の結末はどうなるのでしょうか。

ドル円と米株、日本株の動きがシンクロ、つまり投機筋が暗躍している

ドル円と米株、日本株の動きがシンクロしているということは、投機筋が動いていることを意味します。投機筋はファンダメンタルよりは値動きを重要視した(一概には言えませんが)アルゴリズムで相場に参戦しています。現在の為替と株価が連動したような状況は、アルゴリズム売買を得意とする投機筋が暗躍していることを示しています。投機筋が好む高悪材料に振らされる展開が益々増長されそうです。

2018年6月4日のアメリカ、日本相場展開

6月1日までのダウ平均が上げ下げを交互に繰り返す鯨幕のような展開を見せています。イタリア問題で落ちたかと思えば翌日には大幅反発しています。こうなると、そもそも落ちた原因がイタリアなのかどうなのかが大いに疑わしいところです。メディアは一斉にイタリア問題で落ちたと掻き立てました。イタリアの問題は何も変わっていないし何も解決していません。ならば翌日の大幅反発は説明がつきません。ということは、つまりイタリア問題で相場が下落したという解説が嘘だということになります。こういうメディアの解説に翻弄されて売買すると痛い目に会います。2月の相場波乱は金利上昇が原因だというのがメディアの解説です。では金利が何故上昇したのか、上昇したらどういう弊害があるのか、についてはほとんどまともに取り上げている記事はありません。最も重要なポイントにメディアは触れていません。困った問題です。

6月4日、欧州市場序盤~中盤の動き

ここまでの欧州主要市場の動きをみれば、欧州問題は何も変わっていないという現実がよく表れているように見えます。そしてその現実を打ち消すかのように国内だけに目を向け始めたアメリカ市場、そしてそれを受けて動く日本市場です。この連鎖が今起きていることだとすれば、グローバルな相場環境はかなり歪んだ解釈がされており、ご都合主義の相場展開と言えるでしょう。今後どうなるかについてまでは言及することはできませんが、かなり特異な状況にあるのは事実です。

こういった社会人が増えてきているという現実

ウォール街去るトレーダー、ポケットに仮想通貨いっぱい詰めて新天地
仮想通貨とそれを支える技術が金融システムのあり方を変えるものなのかどうかはまだ分からないが、ウォール街の優秀な若者の進む道を変える力があることは確かだ。

こういった話がどうやら現実に起きているらしい、ということを考えれば空恐ろしいことです。何の付加価値も生み出さない相場の世界だけで生きていこうとするのは、すでに経済活動を破壊する片棒を担いでいることになるので、自らの行動で自分を刺しかねない状況にあると言えます。そして、恐らくこういう傾向は拡大していくのでしょう。

2018年6月4日、参考記事

世界の景気拡大に陰り、薄れる楽観ムード
世界の景気拡大に乗って1月に過去最高値を付けた米国の株式指標がつまずいている。欧州などの景気が緩やかにではあるが確実に減速しているためだ。

割高株の上昇主導の反発局面続く (2018年6月4日~8日)

アメリカ市場では割高な株がさらに買われ、割安な株がさらに売られるという展開により、指数としては上昇傾向を示しました。

アメリカ株式市場概況とチャート
アメリカ主要株価指数 TradingViewによる価格 ダウ平均株価(Dow Jones Industrial…

当然こういった動きの巻き戻しは今後の大きなリスクとなりえます。

コラム:金融市場支える「7つのブーム」に迫る壁=重見吉徳氏
重見吉徳 JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト
コラム:テクノロジー株とETF、共鳴するブームの落とし穴=重見吉徳氏
重見吉徳 JPモルガン・アセット・マネジメント グローバル・マーケット・ストラテジスト

6月11日~6月15日週をざっくり展望

嵐は去ったと考える投資家が作っている相場がこの頃の相場です。本当に去ったのでしょうか。嵐は去ったかも知れませんが梅雨入りかも知れません。12日~13日のFOMCで転換点が来る可能性も十分あります。今週は重要な転換点となるや否や、に注目です。

ニュース記事から

ついに始まった!「高級マンション」投げ売りから暴落の悲劇(週刊現代)
都心の高級物件は即完売。転売されてもすぐに買い手がつく。それが常識だった。だが、潮目が変わった。億ションが売れ残っている。そうなると、価格を下げるしかない。不動産崩壊の序曲が聞こえる。
コラム:円高示唆する米金融政策「2つの転換点」=門田真一郎氏
門田真一郎 バークレイズ証券 シニア為替・債券ストラテジスト
新興国市場の急落、世界に拡散するのか
新興国市場で起きている混乱について、遠く離れた一部の国に留まらず米国やその他の地域にまで波及するのではないか、という懸念が広がっており、このため、リスク回避姿勢が加速している。

誰でも失敗はある、ということですね。どれだけ成功したかのように見える人でも、です。(下の記事)

投資の失敗は誰にでもある、バフェット氏でさえも
いつでもいかなる場所でも通用する一文を書かなければならないとしたら、これしかない。「賢明な投資家はきょうもまた愚かなことをした」
FRBの「リセッション警報」、作動するか
FRBのジェローム・パウエル議長は今週、就任わずか4カ月にしてリセッション到来の兆しを示す気まずい状況にあるようだ。

仮想通貨が吹っ飛んでいます

ご注意ください。BTCUSDで6500を割れば底割れとなります。買い時と考える前に立ち止まって考えてみましょう。仮想通貨相場は完全に疲弊しています。

仮想通貨の時価、5兆円余り吹き飛ぶ-韓国交換業者がハッカー被害
ビットコインの年初来下落率が50%を超えた。韓国の仮想通貨交換業者コインレールがハッキングされたことを受け、仮想通貨全般が大きく値下がりし、460億ドル(約5兆500億円)相当の価値が吹き飛んだ。

チャートはこちらから。

仮想通貨マーケット概況とチャート
仮想通貨マーケット概況 TradingViewによるクリプト通貨マーケット 仮想通貨チャート BTCUSD 時…

トランプを公然と批判する首脳も(ウォールストリートジャーナル)

米とカナダの反目激化、G7 後の発言受け
主要7カ国首脳会議(G7サミット)は9日に閉幕したが、ドナルド・トランプ米政権内で経済政策を担う高官らがカナダのジャスティン・トルドー首相の言動を一斉に糾弾した。

アメリカ当局の政策は自殺行為との指摘も、ジェフリー・ガントラック氏(6月13日、ブルームバーグ)

金利上昇局面で借金を積み増すのは自殺行為という、誰でもすぐに理解できる指摘です。しかしトランプ政権には理解できないようです。

ガンドラック氏が「ほぼ自殺行為」と警告-米金利上昇局面の赤字急増
金利上昇局面で赤字が急増すれば、米国は財政難に向かうしかないかもしれない。ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高投資責任者(CIO)が指摘した。

新興国からの資金流出続く(6月18日、ブルームバーグ)

海外勢、アジア新興市場から資金引き揚げ-リーマン禍以来最速ペース
アジア新興市場は今後数日間、一段と厳しい状況に置かれるかもしれない。域内の株式から2008年の金融危機以来最速のペースで資金が逃げ出す中、実質的なトレンド転換もなしに本格的なパニックに見舞われる可能性がある。

BISが仮想通貨の欠陥を指摘(6月18日、ブルームバーグ)

ビットコインでBISが辛辣な分析-デジタル台帳に「根本的な欠陥」
国際決済銀行(BIS)は仮想通貨業界に対し、プライムタイムの主役となる準備ができておらず、主流の金融サービスに関する限り、準備が決して整わない可能性もあるとの見解を明らかにした。

市場は悪材料に鈍感になった(6月18日、ロイター)

アングル:オオカミ少年症候群か、貿易摩擦への米株反応が鈍化
米国株式市場はここ数カ月、米政府による関税導入や世界的な貿易戦争への懸念に揺れてきたが、投資家の間では市場が貿易問題を受け流すようになっているとの見方が浮上している。

日本、物価目標2%は無理(6月19日、ブルームバーグ)

東大大学院の渡辺努教授は、物価目標2%は無理と判断した模様です。今更ながらという感はありますが、異次元緩和が物価に対して何の意味も持たなかったということははっきりしつつあるようです。異次元緩和の終了を提言しました。

物価統計の第一人者も2%を断念、日銀は金融正常化を-目標0%適当
物価研究の第一人者で、1990年代後半から物価目標の導入を主張してきた渡辺努東大大学院教授が、てこでも上がらぬ物価にしびれを切らし、ついに2%目標の断念を日本銀行に提唱した。異次元緩和に物価を押し上げる効果はないとして、日銀は物価目標を2%から0%に引き下げ、金利引き上げなど金融政策の正常化に向かうべきだと訴える。

景気循環のピークを指摘する記事多数

まあ、これも見解の一つ、くらいに考えておくのがよさそうです。ただし、みなそれなりに説得力はあります。

世界成長への破壊的な脅威を警告-クルーグマン教授とサマーズ氏
ノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授とサマーズ元米財務長官は、世界経済の先行きに暗影を投じた。
「ピークに近い」米景気、貿易摩擦や住宅市場がリスクに
4-6月(第2四半期)の米経済は、減税が消費者や企業のマインドを高揚させ、好況が続いている。しかし、こうした好調が短命に終わるリスクが高まっている。
米国は1年以内に景気後退入り、株価ピーク過ぎた-ローゼンバーグ氏
S&P500種株価指数が1月に最高値を付けた時が強気相場のピークだったことが今後判明するとともに、米国が1年以内にリセッション(景気後退)入りする可能性があると、グラスキン・シェフ・アンド・アソシエーツのチーフエコノミスト兼ストラテジスト、デービッド・ローゼンバーグ氏が指摘した。

私自身も2018年1月ダウ天井説

を唱えています。

NYダウは2018年1月で大天井の可能性
NYダウ平均がまだ持続的上昇トレンドにのかについては疑問視、風雲急を告げる? こちらの記事でNYダウ平均のチャ…

仮想通貨に否定的見解多数、チャートは右肩下がり

BISもそうですが、ウォーレン・バフェット氏も仮想通貨には相当否定的で、辛辣な意見を述べています。そして、仮想通貨は順調に右肩下がりの現状が続いています。「振り出しに戻る」くらいの水準まで落ち込むことになりそうな雰囲気です。

仮想通貨に追加の悪材料、BISが否定的リポート
10大仮想通貨はここ1カ月、値下がり傾向が続いている。前向きなニュースが出るたびに長期保有者が売りを出しているとの臆測がある。国際決済銀行(BIS)の否定的なリポートで、仮想通貨への逆風はさらに強まった。BISは17日に公表した報告で、デジタル通貨は決して本物の通貨のような交換手段にはならないとし、あまりにも不安定で電力を消費し過ぎ、操作されやす過ぎると指摘した。
仮想通貨マーケット概況とチャート
仮想通貨マーケット概況 TradingViewによるクリプト通貨マーケット 仮想通貨チャート BTCUSD 時…

円は最良の投資先?ウォールストリートジャーナルの記事より(6月23日)

もしこれが正しとすれば、円は徐々に高くなっていくでしょう。

円は「全天候型」の投資先か 他国通貨しのぐ底堅さ
全天候型の装備に匹敵する金融資産を求める投資家には、円がうってつけかもしれない。

アメリカでも不動産動向に陰り?

金利の上昇の影響の一つなのかもしれません。金利の上昇は不動産の流通に大きく影響します。

NYマンハッタンで住宅売れ残り急増、アッパーイーストサイドで顕著
ニューヨークのマンハッタンで住宅を購入しようと考えているなら、以前より買いやすくなった。だが売り手であれば話は違う。
Manhattan Home Inventory Surges, But Buyers Aren’t Interested
If you’re a homebuyer in Manhattan, your life just got easier. For sellers, it’s another story.
米中古住宅販売:2カ月連続マイナス、在庫不足や価格上昇が響く
全米不動産業者協会(NAR)が発表した5月の中古住宅販売件数は、市場予想に反して前月から減少した。マイナスは2カ月連続。住宅在庫の不足や価格上昇が需要を押し下げた。
U.S. Existing-Home Sales Unexpectedly Fall on Inventory Woes
Sales of previously owned U.S. homes unexpectedly fell in May for a second month as a lack of inventory and elevated asking prices weighed on demand, National Association of Realtors data showed Wednesday.

米国vsその他の国、関税の応酬で世界経済に打撃か?

EU、米国の自動車関税賦課で「深刻な混乱」を予想-内部資料
米国が欧州連合(EU)の自動車と自動車部品に関税を導入した場合、3000億ドル(約33兆円)の貿易に影響し加盟28カ国ほぼ全てが経済的な被害を被ると、EUが報告書で指摘していたことが明らかになった。

徐々に崩れつつある各相場、株、仮想通貨、社債など(6月27日)

ビットコインは「流行性の熱狂」-ノーベル経済学賞のシラー教授
ノーベル経済学賞受賞者である米エール大学のロバート・シラー 教授は仮想通貨ビットコインについて、米国で地域によって人気が分かれる社会的な動きだと指摘した。
2000年、08年の急落再来か-著名ファンドマネジャーらが不吉な予想
市場の混乱が差し迫っていると見込むヘッジファンドマネジャーが増えている。

日本株は底堅いのか?

日本株だけは底堅いという趣旨の記事はちらちら見かけます。果たして本当なのでしょうか。この頃の日本株指数の動きは高をくくった感が強くでています。これは脆いものです。

日本株は小幅安、米国の通商政策懸念と金利低下嫌気-為替安定が支え
28日の東京株式相場は小幅安。米国の強硬な対中国通商政策に警戒感が根強い上、米長期金利の低下を嫌気する売りが優勢となった。医薬品や情報・通信、小売、食料品株など内需セクター、空運株が安い。保険や銀行株など金融セクターも軟調。

以下の記事、本当かねえ、と考えざるを得ない点が多々あります。要注意人物です。

インタビュー:政策調整は迫られていない=若田部日銀副総裁
日銀の若田部昌澄副総裁はロイターとの単独インタビューで、現在の金融緩和政策は効果が副作用を「完全に上回っている」とし、副作用に配慮した長期金利目標の引き上げなど政策調整は迫られていないとの見解を示した。
米10年債利回り、3%に戻るのは時間の問題-JPモルガン・アセット
JPモルガン・アセット・マネジメントで最高投資責任者(CIO、国際債券担当)を務めるニコラス・ガートサイド氏は、最近見られる米国債相場の強さは崩れるとみている。金融引き締めに耐え得るほど強い米国の経済成長に投資家が再び注目し、貿易摩擦問題が隅に追いやられると予想するからだ。
ボラティリティーに賭けリターン6000%のファンド、新たな狙い定める
米CBOEグローバル・マーケッツのボラティリティー指数(VIX)が2月に急上昇した際、驚異的な利益を確保したヘッジファンドが新たな狙いを定めている。

 

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