低ボラティリティへのポジション増加
どうやら、またミニゴルディロック相場の再来のようです。ただし、今回のゴルディロック相場は短命かもしれません。ボラティリティーは↘、株は↗に賭ける投資家のポジションがかなり偏った状況になってきているようです。要注意のサインであることは間違いありません。こちらのロイターの記事で報告されています。
コラム:市場は「混乱の秋」か、ボラティリティー記録的低水準
ボラティリティーは確かに低下しています。VIXショートに賭ける投資家も多いものと推察できます。VIXショートは危険な賭けです。一たび相場が荒れたら損失は甚大です。今、そういう下地ができつつあります。ボラティリティーは低下したからといって即座に上昇するものではありません。VIX相場の時間的局面で言うと、下落している時間の方が遥かに長いので、これがショート有利という神話を生み出す要因となります。
しかし、現在のポジションの偏りは危険な状況の前触れのようです。ボラティリティーの難しいところは、これだけ低下した状況であればいずれは急激な上昇局面が来るということは確実なのですが、それがいつかということについて知るのは簡単ではない、ということです。なにしろ下落期間の方が時間的には圧倒的に長いので、どうしてもそうなってしまいます。一方で、VIXをトレードするのであれば絶好のチャンスと考える筆者であります。もちろん、長期戦を強いられる可能性は否定できないのは無論のことです。2018年8月8日にVIXが10.5近辺を記録しました。すでに十分VIXは低いのですが、ここから更にショートする投資家が多いということを如実に物語っています。しかもポジションは極度に偏っています。
相場においてポジションがどちらか一方に偏り過ぎた場合には、注意が必要であることは言うまでもないでしょう。
悪材料はほぼ完全無視の状況、それが終わりを告げる日は来るのか?
トランプ米大統領が当選して以降、アメリカ株価市場はバブリーな展開となっています。前述のポジションの偏りといいVIXの低さ加減といい、市場が極度にどちらかに傾く傾向が見て取れます。2018年2月に米株価市場で急落した直前には9前後という空前の低さでした。今回は10.5を記録したところでどうなるのか、一旦は反転した状況です。
アングル:下げ止まらないトルコリラ、中銀の想定シナリオ
こういった悪材料はリーマンショック後の2009年から2016年のトランプ当選までは敏感過ぎるくらいに反応する材料でした。しかし、トランプ当選以降、悪材料は無視されるようになりました。つまりトランプ当選で相場環境が激変したのです。この文脈で悪材料が無視される相場環境が過去2年に渡って構築されてしまいました。
ポジションが極度に傾くのは危険な兆候
これは間違いありません。相場において唯一語れる真理です。今そういう状況になっていることは無視してはいけません。時期的なことについての予測は難易度が高すぎますので、そこを抜いて語れるのなら、低ボラティリティと株高に賭けるポジションの偏りは危険な兆候です。ゴルディロックが続くのか、終わりが来るのかの判定はとても重要な判断ポイントとなりますので、各々十分な吟味の上、ご判断ください。
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