弱気入り相場目前の米株市場

ベテランのプロでも読み切れない今の相場環境

これまで景気循環を乗り切ったベテラン運用者が近頃の相場に対応できない、というニュースです。とても興味深いですね。つまりベテラン運用者は景気が絶好調の状況で何故株価が荒れるのか、肌感覚として理解できないようです。株式市場は敏感に先を読む生き物で、この動きを確実に予測できる人は世の中に存在しません。どれだけ著名な投資家であろうと過去の経験に基づいて判断するので、確実な予想などできないのです。実績を残している投資家は当然嗅覚が鋭いので、実運用において異臭を感じたら必ず行動します。これはリスク回避能力と言ってもいいものと思います。しかし、長年の激戦を経て今でも生き残っている投資家はやはりそれなりの嗅覚やロジックを持っているものです。それをもってしても計り知れないような環境が現実に存在しているようです。

ヘッジファンド市場が縮小、株価低迷などで-ベテラン運用者が白旗
フィリップ・ジャブレ氏がヘッジファンド3本について資金を顧客に返還すると決定したニュースは今週、ヘッジファンド業界を揺るがした。だがヘッジファンドの閉鎖は2018年を通じた主要テーマでもある。

話をもとに戻しますと、これまで景気循環の波を乗り切ってきたベテラン運用者が乗り切れない波が来ているということになります。そして株式市場はご覧のとおりです。市場という生き物は個人の判断を遥かに凌駕しますので、今の株の動きは何かを示唆するものと考えるべきでしょう。景気は強いのだから買いで良いという判断はかなり疑問ですので、買いで参戦するのであれば買う理由を必ず明確にしてそのロジックを十分に検討してください。

株式市場を中心とする今の相場が今示唆するものは?

2018年中ずっと続いている不安定相場が意味するものは何なのでしょうか。それは誰にもわかりません。しかし、ただ一つ言えること、それは相場というものは未知のリスクですら読み切ってしまうということです。いえ、むしろ読むというよりはむしろ自ら自分の未来を作り上げていきます。仮想通貨も惨憺たる状況です。2017年に仮想通貨を買った、あるいはコールオプションを買ったような人々にとって、今の仮想通貨の相場は慙愧に堪えないものでしょう。

良きも悪しきも進化するもの

市場を動揺させる要因というのも一筋縄ではいかないものです。風邪のウィルスやインフルエンザと同じで人間の知識の裏をかくかのような進化を遂げて復活してきます。人間が駆逐したかに見えるものでも実は駆逐されておらず、さらに強化されて復活してくるのが世の常です。過去に起きたことに備えてそれを防いだとしても、過去に起きたことがないものへの対処は後手になってしまいます。未知のリスクを予測することは不可能であり、ましてやそれに備える事など夢物語としか言えません。

2018年はトランプラリーの折り返し点

2018年に米議会中間選挙が実施され、これまでの共和党支配に異変が生じ民主党が躍進することとなりました。と同時にトランプラリーもどうやら終焉を迎えつつあるようです。共和党の独裁状態も、中間選挙で民主党が躍進したため解消されることとなりました。その結果アメリカ議会は捻じれ議会状態となりました。トランプ氏の特異な性格と共和党の一強議会により支えられた相場も終わりが近いかもしれません。というよりもう終わっている可能性が大きいです。

日銀大規模緩和継続の最大の副作用

日銀の強引な大規模金融緩和、とくにマイナス金利の導入により収益が悪化した邦銀が手を出したもの、それは禁断の金融商品なのかもしれません。こちらに引用したのは邦銀が多くレバレッジドローンに手を出しているというニュースです。

1兆ドル規模の米レバレッジドローン、市場の運命握る日本の銀行
日本の銀行は高債務の米企業向けローン債権の3分の1相当を購入し、同市場の規模が1兆ドル(約113兆4000億円)を超えるのを後押しした可能性がある。UBSグループの新たな推計が示唆した。

大槻奈那氏も同様のことを指摘していました。以前の記事でも引用しましたが再度引用します。どちらの記事もCLO(Collateralized Loan Obligation、ローン担保証券)の事に言及しています。このことは偶然の一致ではないでしょう。邦銀が危険な香りがするローン債権に手を出し、しかもそれが別の金融商品に組み込まれ、という構造はまさにリーマンショックに繋がったサブプライムローンと同じものです。人類はやはり同じ過ちを繰り返すのか、今問われようとしています。そしてこの危険な賭けは日銀により後押しされました。

邦銀が「次の金融危機」の引き金を引くのか | 大槻奈那先生、金融の修羅をゆく
10月25日に、初めて民間企業が発行する債券の利回りで「0%」が登場した。発行体の日本政策金融公庫は政府保有ではあるものの、国債・政府保証債以外でゼロ利回りの債券発行はこれまでなかった。にもかかわらず、…

この事実がどのような結末に至るのか誰にもわかりませんが、危険を嗅ぎつける能力が高い投資家はもうとっくの昔に売りに回りました。その結果が今の相場です。この現状を踏まえて株を買っていいのかどうか、相場参加者は自分なりの結論を出す必要があります。

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