2019年前半の世界の株式相場は弱気が支配する可能性があります

2019年序盤の世界の株式市場および債権市場の動向について

もちろん決めつけることはできませんが、2019年前半は2018年10月天井からの流れを受けて弱気が支配する可能性があります。株式市場、債券市場ともにです。原油やメタルなど原材料系の商品市場も同様かもしれません。10年間世界規模での大規模金融緩和に支えられた相場が終わりを迎えるかもしれません。2018年の世界の相場は荒れ気味です。上下動が激しく、ボラティリティが大きくなっています。1月にピークを付けてから大荒れの下落相場が暫く続きました。10月に向けてまた低金利を背景としたゴルディロック相場が復活し、日米の株式市場は1月の高値を抜いて2018年の一番天井となりました。そしてその後の相場はご覧のとおりです。2018年に世界の相場は変調を来しました。一度壊れた相場は簡単には戻りません。この流れを受けて2019年前半の相場環境は買い手にとって決していい環境とは言えないでしょう。

ジム・ロジャーズ氏「19年米国は深刻な事態に」 | 投資
――アメリカを中心とした世界経済は、大きな曲がり角に差し掛かっているように見えます。その通り。私には、世界経済はすでに問題を抱え始めているように見える。往々にして大きな問題は、皆があまり注目していな…

こちらの記事でのジム・ロジャース氏のコメントも同様のことを述べています。ただし、ジム・ロジャース氏は人の話を鵜呑みにして投資をするなと言っていますので、そういう意味ではジム・ロジャース氏の言うことも鵜呑みにしてはいけないのかもしれません。

米市場で密かに語られる悲観論「3つの根拠」 | 市場観測
日本やアメリカなど主要諸国の株価が冴えない。多少は戻しているとはいうものの、筆者の日経平均株価の中期的な見通しは、これまで何度か当コラムで述べている通りだが「短期的に戻りがあっても10月初旬の高値を抜…

来年は金融危機以来で最も不安、新興国触れたくない-BofAウー氏
バンク・オブ・アメリカ(BofA)メリルリンチのグローバル金利・経済調査責任者、デービッド・ウー氏は、グローバル市場 、とりわけ新興国市場のボラティリティーについて、2008年の金融危機以降で最も不安を感じている。

変調を来した世界の株式市場

こちらは世界の代表的な株価指数であるダウ30種工業平均の長期足チャートです。2018年の荒れ具合がよくわかります。相場が一度荒れてしまうとどうしても下押し圧力を強める要素が支配的になりがちです。この月足のダウチャートを見ていると、荒れている2018年であっても長い目で見れば大した下落幅ではありません。本当に景気が怪しくなってくればもっと深刻な下げ相場がやってくる可能性がありますので、現在の相場状況だけを見て頭から買いで問題ないと決めつけるのはかなり危険な行為です。

 

こちらのチャートは日経平均のチャートです。こちらのチャートでも2018年の荒れ具合がよく出ています。

 

 

景気そのものが悪化するかどうかは誰にも分らない

相場が弱気になる可能性は高くても、景気そのものが本当に持続的に悪化するかどうかは別の話です。相場環境が悪化するのはかなり可能性が高そうですが、これは、何事も永遠に続くことはないという真理が拠り所となっています。世界中の中央銀行の集中的な大規模金融緩和により、これまで景気拡大が10年続き、株価の上昇も10年続いて生きた天国のような相場環境もいつかは終わりが来る、と主張する人はいます。そしてそれは2018年~2019年だという人も少数派ですが存在します。そしてこれはある程度確度が高いと言えます。しかし、現実に景気が鈍化・悪化するかどうかは誰にも予想できません。予想できないが為に、これまでその兆候を示してきた事象が発生するとそれに飛びついて「さあ悪くなるぞ」と身構えます。

ついに「逆イールド」、バブル崩壊のサイン | 市場観測
12月に入ってから再び株価の動揺が目立っている。この背景として米中貿易摩擦が首脳会談を経ても解決に至らなかったことを指摘する向きもあるが、金融市場では、現実のものとなりつつある逆イールド化(短期金利が…

米債券金利に長短金利逆転の逆イールドが出現したときもそのような反応が出てきました。しかしこれとて過去の経験則に過ぎず、逆イールドと景気悪化の関連性について明確な論理的説明は存在しません。世界の株価はこういったことの繰り返しを暫く続けることでしょう。

2019年は振れ幅が大きい短期トレーダー向き?

これまでの長い相場の歴史の中で、下げ相場になったときにはボラティリティは上げ相場に比べると確実に高くなります。これは歴史が証明している事実です。こちらの記事が言わんとするところは、結果的にどうなるかはわからないが2019年はボラティリティが大きい年になりそうだ、ということです。ボラティリティが大きいジェットコースター相場は短期トレーダーの得意とするところです。一方、現在は相場の大きな転換点である可能性があるので、投資家にとっては参加しやすい環境とはお世辞にも言えないでしょう。しかし実際には今でも買いだと考えている投資家は多そうです。

2019年は投資家でなくトレーダーの年に-ヘッジファンドの草分け語る
ヘッジファンドの草分け、ポール・チューダー・ジョーンズ氏によれば、2019年の市場はボラティリティーが高く、投資家よりもトレーダーに恩恵をもたらす見込みだ。

2019年にFRBが引き締め路線を緩めることで相場が復活か

あまり先のことを予想してもほぼ当たらないのが常ではありますが、こういうシナリオは起こりえることの一つです。景気の鈍化が顕在化して相場が荒れればFRBは当然身構えて対処しようとするのは十分考えられることです。2008年のリーマンショックによる株式市場の大波乱以降、FRBは株式市場の顔色をうかがう度合いがかなり強まりました。これは世界中の中央銀行に共通に言えることです。日銀もFRBもECBも相場をなだめすかしながら金融政策を行っています。2019年に相場が荒れて景気の伸びが鈍化すればFRBが黙ってはいないでしょう。そうなればゴルディロック環境の復活となり、株式市場に優しい環境が再構築される可能性は十分にあります。

12月米利上げほぼ確実、来年FRBは慎重姿勢へ
FRBは雇用統計を受け、次回のFOMCで予想通り政策金利引き上げを実施し、来年の利上げについては慎重な姿勢に傾くだろう。

世界の債務残高は拡大し続けており、負債者にとって金利の上昇はかなりの痛手になる

世界の債務残高は歴史的な最高水準にあります。つまり、リスク資産も債務の膨張の上に成り立っている可能性があります。可能性があるというより事実です。負債者にとって金利の上昇は命取りになりかねません。さらに信用収縮が発生するような事態になれば、深刻な事態が発生します。今現在はその下地が十分にあるということは頭に入れておくべきでしょう。安心してリスク資産に資金を投入できるような状況ではありません。

【図解・国際】リーマン破綻10年・世界の債務残高(2018年9月):時事ドットコム
グラフィック・図解:  【ニューヨーク時事】「100年に1度」の金融危機をもたらしたリーマン・ショックから15日で10年。主要国・地域の大胆な金融緩和や財政出動で、世界経済は崖っぷちから回復し、長らく拡大局面を続ける。しかし、緩和マネーが流入した新興国で債務が膨張するなど危機対策の「副作用」も顕在化。次の危機を誘発しかねないリスクになっている。  「資産価格の上昇を後押しし、1700万人の雇用を創出した」。危機時に量的緩和を決断したバーナンキ元連邦準備制度理事会(FRB)議長は12日の討論会で、その効果に胸を張った

いったい債務がどの水準まで行けば問題視されるのか、それは誰にもわかりません。結局のところ多くの経済的な事象は後になって振り返らないと分からないということが多くあります。多くの人が異変の兆候を探そうと必死になりますが、問題は表面化するまではなかなか気が付きにくいものです。これは経済に限った話ではありません。どんな世界でも同じことが起こりえます。

コラム:過去最高の世界債務、IMFの心配に及ばず
国際通貨基金(IMF)は今週、世界の債務水準が過去最高に達したとし、景気が順調なうちに債務削減に取り組むよう各国に求めた。

世界の中央銀行は金融緩和によりインフレを引き起こそうとしました。しかし、金融当局が考えたほどの効果は出ていないのが現実です。とくに日本においては目標のインフレ率2%をかなり下回る状況が慢性化しています。インフレは負債の重みを軽減する効果がありますので、借金を負うのは持続的なインフレ社会であれば大きな問題とはなりません。しかし世の中はそのようにはなっていません。もし経済が逆回転し始めてデフレに向かうような事態になれば、負債者にとっては致命傷となります。そして日本は世界最大の借金国なのです。

世界の政府総債務残高(対GDP比)ランキング – 世界経済のネタ帳
2017年の政府総債務残高(対GDP比)ランキングを掲載しています(対象: 186ヶ国)。過去のデータについてはこちらを参照してください。

 

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